坐骨神経痛になると

　皆さんは”坐骨神経痛”という言葉をよく耳にすると思いますが、実際にどのようなものかご存じでしょうか？

坐骨神経痛は、お尻から足の後ろ側やふくらはぎに現れる「痛み」や「しびれ」、「麻痺症状」のことをいいます。病名ではなく症状です。「痛みの種類」を指します。そのため、何かの原因によって坐骨神経が圧迫されたり刺激を受けることで起こる痛みやしびれなどの症状を総称し「坐骨神経痛」と呼ばれています。そのため、足のしびれや重だるさ、お尻の痛みが症状として現れ、改善せずに症状が強くなっていくと日常生活にも支障が出てきます。

また、坐骨神経痛には3つのタイプがあるといわれています。

腰椎性坐骨神経痛

これは坐骨神経痛の始まりに当たる背骨の箇所で神経の圧迫が起こって症状が出ています。

ですので、腰の周りの筋肉を揉みほぐしたり、マッサージや電気を当てても改善しないのは体の奥にある背骨に対してアプローチができていないからなのです。

梨状筋性坐骨神経痛

こちらの坐骨神経痛は背骨が原因ではなく、梨状筋と言うお尻の筋肉に坐骨神経痛が強く挟まれてしまっている為にシビレや痛みが起こってしまっている状態です。

このタイプの坐骨神経痛の場合の多くが骨盤の歪みや姿勢不良などが原因で、お尻の筋肉の血流が悪化、筋肉がかたくなりシビレを起こしています。

症候性坐骨神経痛

このタイプの座骨神経痛は神経の圧迫が原因ではなく糖尿病や内臓の疲れ、ストレスなどから座骨神経痛が起こってしまうタイプです。

このタイプの座骨神経痛はマッサージや電気、薬や湿布では改善することがないため、長期的に続く坐骨神経痛の方は症候性座骨神経痛の可能性が非常に高いです。

なかなか治らないときは？

　もし痛みやしびれが出てから１か月以上経過しても改善していないのであれば、今の症状に対しての処置があなたに合っていない可能性が高いです。決して今の処置が悪いというわけではなく、あなたに合った根本的なアプローチになっていないかもしれないということです。

たとえば痛み止めや湿布は、痛みが強いときには必要なものですが、痛みを麻痺させているだけですので、坐骨神経痛の原因となっている筋肉や関節などの問題は解決できていません。痛みを麻痺させたまま生活を送るということは、体に無理をさせている状態ですのでどんどん悪くなっていく可能性が高いです。また、ストレッチは坐骨神経痛に対してはやらない方が良い場合もありますので注意が必要です。

そんな時に役立つセルフケアをお伝えします。

①温める・・・お風呂やカイロを使用することで腰やお尻や足の筋肉を温め、血流が良くなることで筋肉がやわらくなり、坐骨神経の圧迫や刺激を軽減することで症状が改善されます。

②姿勢・・・特に中腰姿勢や長時間の座位は腰やお尻に負担をかけやすく、神経を刺激する原因にもなるため、背筋を伸ばして骨盤を立てる姿勢を意識し、こまめに立ち上がるなど体勢を変えることで症状が軽減されます。

③専門家に診てもらう・・・”どうしても症状が良くならない”といった場合や”生活してて辛くなってきた”場合には、整形外科や接骨院の専門的なケアが効果的です。

放置して治るの？

　結論から言いますと、坐骨神経痛が放置して治る可能性はかなり低いと思われます。何らかの原因による坐骨神経の圧迫や刺激によって症状が出ているため、その原因を取り除かない限り症状を改善することは難しいです。

また、坐骨神経痛は放置すると「一時的な違和感」の状態から「慢性的な痛み」の状態へと進行する恐れがあります。たとえば最初は座っている時だけのしびれだったものが、次第に立ち上がる時も痛みが出るようになり、さらには”常にしびれや痛みを感じる”状態になってしまいます。

まとめ

　坐骨神経痛は坐骨神経の圧迫や刺激により痛みやしびれといった症状が現れ、放置すると痛みやしびれが悪化してしまう恐れがあります。

当院では坐骨神経痛に対して、お尻や足の施術だけでなく「しびれを起こしている神経の通り道の固まっている筋肉を柔らかくすること」や「圧迫を起こしている腰椎や仙腸関節を正しい位置に戻すこと」を行い、症状の改善及び再発防止を図ります。たとえば、反り腰や猫背といった姿勢の癖や骨盤の歪み、全身の血流の促進によって周りの筋肉を柔らかくして腰やお尻への負担の軽減を図ります。

そのため、お尻の痛みや足のしびれがなかなか治らない、日常生活に支障がでているといった場合には、早めに整形外科や接骨院に相談することが推奨されます。