脱臼とは・・・
今回は脱臼についてお話いたします。
脱臼とは、関節を作っている骨と骨の正しい位置関係を失ったものをいいます。いわゆる「外れる」といった状態です。
脱臼をしたことがあるという人は少ないかと思いますが何かのお役に立てていただけますと幸いです。
定義
骨と骨をつなぐための関節包という袋のようなものがありますが、この袋から飛び出したものを完全脱臼といいます。
脱臼に対して
接骨院(整骨院)では脱臼の整復は得意分野です。
病院に行くと骨折も脱臼もレントゲンを撮るかと思いますが、レントゲンを撮る前に接骨院では応急処置の整復が可能です。
整復直後に痛みがなくなることも多いです。
ものによっては痛みが伴う整復も多いですが、しっかりと整復しておかないと手術することになってしまったりすることもありますので初期処置が重要です。
起こりやすい場所
最も多いのは肘内障といって子供に起こる肘の脱臼です。接骨院に来られる方はこの脱臼が一番多いです。
肘内障は整復をしたらすぐに良くなりますが、肩と顎の脱臼は整復後にしっかりとした施術をする必要があります。
なぜなら、脱臼後に周囲の筋肉や関節を傷つけてしまうことが多いからです。また、しっかりとした施術やリハビリをしないと脱臼がクセになってしまいます。
肘内障について
肘内障とは小児の肘関節の脱臼のことをいいます。子供の肘の骨がまだ成長中のため、子供が手で何かを引っ張ったときなどに外れてしまうものです。
多いのは親御さんが子供の手を強く引っ張ったときにコキッと外れてしまうことです。
発見方法・・・
子供の手が上に上がらない、手がぶらぶらしている、痛みで泣き止まない などです。
接骨院でも整復は比較的安易に可能です。予後も良好な痛みです。
肩関節の脱臼について
続いて多いのがこの肩の脱臼です。
外れる方向にも4種類あります。中でも、前方脱臼といって上腕骨が前方に外れるものが最も多いです。
施術が遅れると変形をしてしまったり、拘縮といって関節が固まってしまったりと予後に大きな影響がありますので早めの処置が必須となります。
・・・発生機序
・転倒して手を着いたとき
・ボールを投げた時
・転んで肩を地面に打ち付けた時 などです。
肩の関節は上腕骨が肩甲骨に嵌るような形で構成されておりますが、その上腕骨が肩甲骨から逸脱してしまうのが脱臼です。
その際に靭帯や筋肉なども同時に損傷してしまいます。
回復までの期間
脱臼には固定が必要になります。
固定には、2.3週間は必要です。全治には2.3か月はかかるものが多いです。競技復帰には半年以上かかるものもあります。
当院での施術方法
当院では包帯やテーピング、クラピクルバンドという装具で固定することが多いです。また、かばってしまっている筋肉をほぐしたりすることで脱臼した部位への負担を減らし早期回復を促します。
整形外科などの病院では、クラピカルバンドのみの処置であることが多いです。
脱臼を起こさないために・・・
脱臼を起こさないためには、ケガですので気を付けるということは難しいものですが、日常的に体の柔軟性や筋力を維持しておくことがまず大切です。
固い関節ですと、過度に力が加わった時にそこにかかる負荷も大きいですので脱臼に限らず怪我をしやすいです。
また、運動前のウオーミングアップも重要です。各関節や筋肉を温めておくことで怪我の予防になります。
肩の関節でいいますと、肩が外れないように維持してくれているインナーマッスルというものがあります。棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋というものです。
これらは日常的にはあまり使われず、意識して動かしておく必要があります。特に投げるスポーツをする人は鍛えておきましょう。
以上が脱臼によるお話になります。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。