ぎっくり腰のストレッチ
みなさんはぎっくり腰を改善させるストレッチと聞くとどんなものを思い浮かべますか? 多くの方は腰を伸ばすストレッチをイメージされるかと思います。腰を伸ばすストレッチはとても良いのですが、ほとんどのぎっくり腰の場合はそれだけでは不十分であることが多いです。そこで、今回はぎっくり腰の改善に効果的なストレッチを紹介していきます。
ただし別のコラムでも紹介している通り、ぎっくり腰は炎症を伴う腰の痛みのため、炎症が強い間は無理にストレッチをするとかえって炎症が強くなり痛みが強くなってしまう可能性があります。そのため、ストレッチに関しては無理をせず、炎症が弱くなり痛みなくストレッチできるようになった段階から少しずつ始めるようにしましょう。
ストレッチとは?
そもそも、ストレッチというのはなぜ筋肉を柔らかくする効果があるのでしょうか? ストレッチをすることで筋肉が伸ばされて柔らかくなっていくのですが、その時に筋肉の中でどのような反応が起こっているのか説明していきます。
筋肉の中には”筋紡錘(きんぼううすい)”と”ゴルジ腱器官”という筋肉を守るセンサーがあります。これは筋肉や腱が伸ばしすぎで切れないようにそれらの伸びすぎを防ぐためのものです。
例えば、立った状態でつま先に触れるように太ももの裏を伸ばした際に、ある所まで来ると太ももの裏が突っ張ります。しかし、20秒くらいたつと筋肉がリラックスして、もう少しストレッチで伸ばせるような感じが出てきます。この最初に感じた突っ張る感じは、”筋紡錘”が感知して、これ以上筋肉を伸ばすことを止めているからです。その後、”ゴルジ腱器官”が作動して筋肉を緩めます。20秒くらいして筋肉が伸ばせるようなったのは、このゴルジ腱器官が作動したためです。
以上のようにして、筋肉はストレッチをすることで柔らかくなります。
どこをストレッチするのか?
それでは、実際にどこをストレッチするのが効果的なのかについて説明していきます。ぎっくり腰の原因によっても異なってきますが、緊張が強くなってしまう筋肉は多くは以下の部位です。
・腰
・お尻
・太もも(前側、後ろ側)
・ふくらはぎ
痛みが出るのは腰周辺なのですが、これだけほかの部位も硬くなってしまうため、腰だけ柔らかくしても、他の部位の硬さから腰の負担が増加して、またぎっくり腰になってしまうケースも少なくないです。
腰のストレッチ
まずは腰のストレッチから紹介していきます。
①仰向けになり両膝を立てます。
②息を止めずに深呼吸をしながらゆっくりと両膝を膝を左右どちらか同じ方向へ倒していきます。
③腰周辺が伸びてくるのを感じたら20秒キープします。
④終わったら反対方向も同じように行います。
これを一回につき3セットずつ行います。
お尻のストレッチ
続いてお尻のストレッチです。
①椅子などに座り、片方の足のくるぶしをもう片方の太ももの上に乗せます。(あぐらをかくように)
②背筋を伸ばし胸を張り、そのままの姿勢で胸を足に着けるように前に体を傾けていきます。
③お尻が伸びてきて、痛気持ちいところまで体を倒したら、息を止めずに15~20秒キープ
④反対の足も同様に行います。
これも一回につき3セットずつ行います。
太もものストレッチ
次は太ももの前側のストレッチを紹介します。
①長座の姿勢で座り、片方の足は折り畳み、もう片方の足は伸ばします。
②手を後ろにつきながら、ゆっくりと体を後ろに倒していきます。
③太ももの前側が伸びてきて、痛気持ちいところまで体を倒したら息を止めずに15~20秒キープ
④反対の足も同様に行います。
続いて後ろ側です。
①立った姿勢のまま片足を椅子や台に乗せます。
②両脚は伸ばしたまま胸を張り、ゆっくりと体を挙げた片足の方向へ倒していきます。
③太ももの後ろ側が伸びてきて、痛気持ちいいところまで体を倒したら息を止めずに15~20秒キープ
④反対の足も同様に行います。
ふくらはぎのストレッチ
最後にふくらはぎのストレッチを紹介します。
①かかとが浮かないくらいの範囲で、脚を前後に開きます。
②前側の脚の膝を曲げていき、前に向かって体重をかけていきます。
③ふくらはぎが伸びてきて、痛気持ちいところまで膝を曲げたら息を止めずに15秒~20秒キープ
④反対の足も同様に行います。
まとめ
このように、ぎっくり腰を改善させるストレッチには腰だけでなく、お尻や太ももなどもあり効果的です。また、改善のみでなく予防としても効果的なストレッチとなってきますので、ぎっくり腰になってしまった方、まだなっていない方関係なく実践してみてください。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。