お灸ってなーに
お灸とは、もぐさ(ヨモギの葉の裏にある繊毛を精製したもの)を燃焼させ、またはこれに代わるものを用いて体の表面のツボに温熱刺激を与え自己回復力を上げる施術のことをいいます。
私たちの祖先でもある原始人が、ケガをしたり痛みがあったときに本能的にその部分に手をあて圧したり揉んだり木の葉を貼ったりしていたとのこと。暖めることを通じて局部の温熱が疼痛を軽減させることが分かり、局所的な温熱刺激である灸法が誕生したといわれています。
お灸の種類・・・
直接灸(有痕灸) 直接皮膚上でお灸をする透熱灸・イボやウオノメを灸の熱で焼き切る焦灼灸・強い刺激をあえて与え膿を出させる打膿灸があります。
無痕灸 知熱灸・温灸・隔物灸・もぐさを使用し灸痕を残さず気持ちの良い刺激を与えていく施術です。
自院では温灸を利用しお客様に気持ちよくかつ効果が出るように施術させていただいています。
お灸の効果・・・
①身体を温める
お灸をすることにより、お灸した部位が発赤します。これは血流がお灸したところに血流が集まることによりこのような反応が起きます。それを利用し体の冷えている部分や、それに関係するツボにお灸をすることにより身体を温めることにつながってきます。
②血液の流れを良くする
東洋医学では、気の流れを意識して施術していきます。全身に経脈といわれる川のようなものがいくつもあり、その中にツボがいくつもあります。その経脈の一部に何か異常があると経脈の流れが悪くなってしまいます。この状態が血流の流れを悪くさせてしまっていることにつながっています。ですのでその異常がある部位(ツボ)にお灸をすることにより異常を取り除き流れを良くします。
③筋肉をほぐしリラックス
筋肉が固まっている状態だと、血流が悪くなっている状態です。お灸をすることにより血流が集まるため血液が乏しい筋肉に血液が送られるため固まった筋肉がほぐれていきます。 さらにお灸はリラックス効果もあるため気持ちが落ち着き筋肉が緩んでいきます。
④免疫力がつく
お灸をすることによりヨモギの精油成分である「チネオール」という成分が皮膚下に浸透し血液中の白血球が増えて、体の抵抗力が上がるとされています。さらに体温が低いより体温が高いほうが自己回復は高くなります。
また「ヒートショックプロテイン」という現象が起こり免疫細胞の働きを強化し乳酸(疲労物質)の発生を遅らせ、取り除くとされています。
⑤内臓を活性化させる
先ほども経脈の話をしましたが、全身に経脈そしてその中にツボがあり、いくつかのツボを刺激することにより経脈の流れが良くなります。ですので直接お腹にお灸をして内臓の働きを良くするのではなく、足のツボを使いお腹の循環を良くすることで内臓の働きを良くしていきます。
このように、直接というよりは遠隔的に治療することがお灸の特徴でもあります。
⑥むくみをとる
足の内側に下から上にあげる作用を持つ経脈があります。その中のツボに三陰交と陰陵泉という ツボがありその部分にお灸をすることにより血流も良くなり、上にあげる作用によりむくみが改善されていきます。
お灸をするにあたり・・・
お灸をした後に「灸あたり」といわれる体を良くしようとする反応により、体がだるくなったりすることが稀にあります。ただこれは、体を良くしようとしている過程での反応です。もし施術後帰宅した時に体がだるくなってきたら無理せず横になっていただいて休息をとっていただければ問題ありません。
最後に
鍼灸の皆さんの印象は刺されるのが怖いだったり熱そうだったりという印象が多いと思います。私も実際に受ける前までは同じ印象でした。でも実際に受けてみたら鍼の痛みはほとんどなくお灸に関してはほどよく暖かくじんわり体に浸透していく感じでした。
初めて受けていただく方には説明をしっかりして、鍼灸を体感していただくようにしています。